奈良の水道問題を考える市民フォーラム

奈良「県域水道一体化」で地元の浄水場がなくなる。5年に一度水道料金が上がる。一体化の後は民営化?奈良の水道の将来を考えるために個人・団体が集まり活動している市民団体「奈良の水道問題を考える市民フォーラム」のブログです。

奈良市の水道料金は、県内で2番目に高くなる!奈良市民のメリットは?第3回懇談会の傍聴報告

2022年7月12日、奈良市役所において、第3回 奈良市県域水道一体化取組事業懇談会が開催され、活発な議論がされました。

 

奈良県がシミュレーションに使った先行団体の企業団の実際の数字から、奈良市で算出したところ、奈良市単独のほうが水道料金は上がらないことも分かりました。

(つまり、シミュレーションは算定基準次第でいくらでも上振れも下振れもする。何より、奈良県の設定条件があまりに甘くて驚きました…)

 

奈良市奈良市民にとってメリットがなければ参加しない」と明言してきましたが、今回の議論を受け、奈良市仲川げん氏からは
奈良市が圧倒的に得をすることはないということは(懇談会委員の)共通認識になった」
「消防の広域化も、市町村だけではうまく行っていない。県からの支援がなければ困難だ」
といった発言もでました。

 

維新の大西淳文委員からは別途資料が出され、「下水道は統一料金となっており、奈良市は割り勘負けしている。実際の費用以上の負担をしているのは奈良県だけだ」という情報提供もされました。

 

奈良市が入らない場合の検討を奈良県がしていない」ことに驚き、

奈良県は、奈良市の協力を得る姿勢がない」という委員も。

 

座長の浦上拓也氏(近畿大学教授)からは
「水道は全員で支えるもの。負担出来るものが負担する内部補助で成り立つ仕組み。そして、奈良市民は奈良県民でもある」
とし奈良県全体を、奈良市は支えるべきではないかという問題提起がされました。続けて下山明委員(大阪経済大学教授)からは
「料金では奈良市が得をしないのはその通り。しかし、過度の負担でないのなら、奈良市民から理解を得られるか。人口減少の中、統合で運営体制はどうなるのか、投資できるかなど優先順位を決めるべき」

といった、これまで懇談会の議論が、水道料金や投資額、シミュレーションなどに集中されてきたことをうけ、
持続可能な安定・安全の水道、事故対応や復旧、施設更新、運営体制など、統合した場合と単独経営した場合のメリット・デメリットを検討しないと議論・判断できない、との委員の発言が相次ぎ、今後の議論はその方向でされると思われます。

 

今回の主な議題は

①建設投資額が水道事業に与える影響

奈良県統合シミュレーションの再整理

…統合しないほうが安いんじゃない?という奈良市のシミュレーション。先行団体の当初計画から委託費10%削減を採用して算定してたけど、奈良市が聞いてみたら「削減できた費用はない」と回答…など、奈良県のシミュレーションがあまりにもあまいと判明。

③県域水道一体化に伴う奈良市民への影響

奈良県で水道料金を統一して、下水道料金を加えたら、県内7番目に安い水道料金だった奈良市は、2番目に高くなる!(下水道料金は水道料金と一緒に徴収されるが、この一体化では下水道は対象外)

奈良県水道用水供給事業

奈良県が市町村に卸す水の単価がもうけ過ぎ。結果、奈良県は潤沢な資金(流動比率は類似団体の約2倍)を持っている!

の4点。

 

奈良市県域水道一体化取組事業 懇談会の議事録、資料は以下奈良市水道局のリンクからご覧いただけます。

水道事業のご紹介 | 奈良市企業局

 

次回の第4回懇談会は、2022年8月4日で予定されています。

市民の興味関心が高まっていることを知らせるためにも、ぜひ多くの市民が傍聴されるよう呼びかけます。

 

奈良市が県域水道一体化に参加しないことを求める個人署名はこちらから↓あつめています。

www.change.org