奈良の水道問題を考える市民フォーラム

奈良「県域水道一体化」で地元の浄水場がなくなる。5年に一度水道料金が上がる。一体化の後は民営化?奈良の水道の将来を考えるために個人・団体が集まり活動している市民団体「奈良の水道問題を考える市民フォーラム」のブログです。

8月5日の懇談会の後の市長の記者会見での報道について、市長への要請と、市長からの回答

8月5日の懇談会の後の市長の記者会見での報道について、市長への要請を行いました。
それに対し、奈良市長から8月10日に回答がきました。
要請文と回答をお知らせします。

 

奈良市長 仲川 げん様

誇るべき100年ブランドの奈良の水道を、奈良市民の歴史的共有財産として守り、次の世代へと引き継いでいくためにご奮闘下さい

マスメディアの報道によれば、仲川市長は昨日(8月4日)の「奈良市県域水道一体化取組事業懇談会」終了後の、報道陣のインタビューに応じて、県域水道一体化への参加のために条件をつめていく、懇談会のそういう方向での意見が続出した、と述べられたと伝えられています。
 まず、この報道が正しいのか否か、この報道は市長の考えに合致したものなのかどうかをただしたいと思います。懇談会の場では、参加者の意見はおおむね、議論すべき事柄はまだまだ多く、議論への県の前向きな対応を求め、従って一体化参加へは慎重であるべきというものであったと、傍聴の全市民が感じています。
市長の発言も「内部補助」の考えに関して、地域格差については相互扶助一辺倒ではなく、国・県による公的扶助・公的支援の必要性や、セグメント会計含めた緩やかな料金統一の方向性等々、現在の一体化構想の根幹に関わる発言がありました。
にもかかわらず、懇台会後のインタビューでは、県から提示されている県域水道一体化への参加を前提にした議論へとすり替えられています。このような市長の肝いりで設置された懇談会の議論を愚弄するような態度に強く抗議します。
奈良市の水道事業は今年で100年を迎えています。先人たちが重ねられた苦労と努力、市民たちが「水」を巡って舐めた辛酸と願い、そして奈良市東隣地域の方々の身を削る協力と豊かな自然の恵み、これらの積み重ねの上に奈良市の水道は100年ブランドとして輝いています。そうして市民は「命の水」を安心・安定で受け取れています。
市長はこの誇るべき100年ブランドの奈良の水道を、奈良市民の歴史的共有財産として守り、次の世代へと引き継いでいく義務があるのではないでしょうか。そのためにこそご奮闘下さい。それが市民の市長に寄せる期待です。  

                                               
2022年8月5日   


                        奈良市の水道問題を考える市民フォーラム
                        共同代表  八木健彦 
                        連絡先 naracitizenforum@gmail.com

 

 

 

奈良市の水道問題を考える市民フォーラム
共同代表 八 木 健 彦 様

平素は奈良市政ならびに奈良市水道事業にご理解・ご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
 さて、県域水道一体化につきましては、平成29年10月に奈良県からその目指す姿と方向性が示されて以降、奈良県及び県内市町村と協議検討を進めております。
県域水道一体化は、奈良県水道が全体において将来にわたって持続可能なものとなることを目指しており、奈良市としても人口減少が進む社会において広域化は有効な手段と認識しており、令和3年1月に水道事業等の統合に関する覚書を締結しております。
一方で、現在の一体化案では、奈良市の参加は難しいと考えております。
これまでも、奈良市だけが負担が大きい現状を解消し、市町村間の不公平感を薄めるため、将来にわたる水道料金の上昇幅を決め、その予算の中で効率的な水道施設の更新投資を行うことと、県からの追加的な垂直補完を行うことを求めてきたところです。
また、これまで覚書に基づき、料金統一を基本に議論してきましたが、解決策が見えてこない中、今後は、広域化の手法の一つであるセグメント会計も含めて、幅のある議論を行っていく必要があると考えています。
奈良市の水道が、奈良市民にとって料金面だけではなく、安心・安全の面を含め、将来にわたって健全に維持されることが重要であり有識者、市民代表、市議会議員代表を委員とする懇談会で出された幅広い意見等も踏まえ、今後、県域水道一体化への対応について判断してまいります。

令和4年8月10日    
奈良市長 仲 川 げ ん