奈良の水道問題を考える市民フォーラム

奈良「県域水道一体化」で地元の浄水場がなくなる。5年に一度水道料金が上がる。一体化の後は民営化?奈良の水道の将来を考えるために個人・団体が集まり活動している市民団体「奈良の水道問題を考える市民フォーラム」のブログです。

共産党白川市議の9月議会質疑概要「県の試算にメリット示されず。大滝ダムの水が余っているから、市町村の水源廃止を進めているのでは?」

9月議会で県域水道一体化の質問をした4人の議員発言概要。

公明党宮池市議の「初期の一体化構想は、奈良県の用水事業を市町村に移管するシンプルな話だった。令和3年1月の覚書から、水道料金統一、赤字団体の繰入も2年で免除となり、大きく条件が変わっている」「県の内部留保金を、一体化の料金シミュレーションでは繰入れ、単独では入れていない」といった事実確認も興味深く。

奈良市が設定し、有識者・議員・市民で5回開催された懇談会での議論は「この一体化計画は、奈良市にメリットがない」と、ほぼ一致した議論になっていました。

市長は「懇談会の意見を受け止め、市の最終判断に生かしたい」と発言していましたが、いったいどうなることでしょうか。

議会での議論をもっと詳しく知りたい方は、会議の動画はこちらから検索できます。

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共産党 白川健太郎議員
奈良市の一体化に参加しないよう求める署名は8034筆提出された。災害時のバックアップ喪失、奈良市裁量権が及ばないことなどの懸念の声など、59通の陳情も出されている。

県の試算の妥当性を調査するため試算し、奈良市単独のほうが安くなることも示された。
覚書以降、メリットを裏付ける資料が県から出されず、検証できなかった。
もはや一体化に参加するメリットはないのでは?

 

仲川市長
広域化のメリットは多いと認識しているが、このままでは参加は難しい。
投資水準と料金水準のバランス、一般会計繰入のルール、下水道事業の取り扱い。
懇談会で議論した県による垂直補完、料金統一以外の広域化手法について検討部会で説明したところ。
これらはあくまで本市が参加を前向きに検討する一つの例。懇談会の意見も踏まえ考えてほしいと、これまでも議論のテーブルに載せている。

企業団参加の是非は、他の参加を検討している関係団体にも影響を及ぼすため、期限を定めて最終判断する必要があると認識。

 

白川議員
5回の懇談会でも、県の示す試算にメリットを見出すことはできなかった。県で開催された論点検討部会で市長は、第4回懇談会後の記者会見で述べた奈良市独自のセグメント会計については撤回を表明され、原案では奈良市のみ統合のメリットがないと述べた。
一体化を県が強引に推し進める大きな原因に大滝ダムの存在があると考える。
H29年3月奈良モデルの在り方検討委員会報告書では、平成24度末に大滝ダムが完成し、渇水時においても安定した水供給が可能になったとしつつ、人口減少で需給バランスに余裕が生じると予想され、水資源の有効活用が課題となると記載。
つまり、大滝ダムの水が余るといいたいのだろう。

ダム完成の直前、県は県域水道ビジョンを策定、県水を受水する市町村に対し、自己水廃止し100%県水にするよう働きかけた。一体化はこれが原点で、究極に表したもの。

過剰な水利権やダム建設の負担金を、各市町村に押し付ける構図になるのは明らかだ。
各市町村の多様な水源は災害時のバックアップの機能を果たしてきた。
廃止となる奈良市の木津浄水場もバックアップとして重要な水源。多様な水源を確保することは安定共有にとって不可欠であり、効率性・生産性のみで諮れるものでない。
一体化に参加することは水の自治を手放す。