奈良の水道問題を考える市民フォーラム

奈良「県域水道一体化」で地元の浄水場がなくなる。5年に一度水道料金が上がる。一体化の後は民営化?奈良の水道の将来を考えるために個人・団体が集まり活動している市民団体「奈良の水道問題を考える市民フォーラム」のブログです。

【生駒市議への公開質問状の結果報告】生駒市の一体化参加について賛成3名、反対4名、回答保留10名、無回答5名の結果になりました。

1/25〆切で、すべての生駒市議会議員に

生駒市の「圏域水道一体化」への参加についての公開質問状を、特定記録郵便およびメールにて送付しました。

【生駒市】議員の皆さんは賛成?反対?「県域水道一体化に関する公開質問」を出しました。 - 奈良の水道問題を考える市民フォーラム


1,「県域水道一体化」への、本市の参加についての考えをお教えください。
①本市の参加に
(  )賛成
(  )反対

②その理由をお聞かせください。

 

■結果 ※それぞれ回答順 (郵便のみの議員は末尾に※あり)

▽11月12月議会での水道一体化の質問回数→1回①、2回②、0回⓪)
▽「都市建設委員会」の議員は「都」


【賛成】3名
改正 大祐 議員(大樹)②
山田 耕三 議員(国民民主党)⓪
伊木 まり子 議員(無会派)⓪

【反対】4名
塩見 牧子 議員(無会派)②
吉波 伸治 議員(市民ネット)①
竹内 ひろみ 議員(日本共産党)⓪
浜田 けいすけ 議員(日本共産党)②

【回答保留の回答】10名
吉村 義明 生駒市議会議長(凛翔 絆)※①
神山 さとし 議員(無会派)※②
山下 一哉 議員(生駒市議会公明党)②「都」
成田 智樹(生駒市議会公明党)⓪
中嶋宏明 議員(緑生)①
中尾 せつ子 議員(緑生)②「都」
梶井 憲子 議員(緑生)①
福中 眞美 議員(凛翔 絆)※⓪
惠比須 幹夫 議員(生駒市議会公明党)⓪
片山 誠也 議員(無会派)⓪

【無回答】5名 ※所属会派別一覧順
松本 守夫 議員(大樹)②「都」
白本 和久 議員(凛翔 絆)※②
上村 京子 議員(立憲民主党)※①
沢田 かおる 議員(無会派)⓪(委員長のため)「都」
加藤 裕美 議員(無会派)②

ー---------

回答保留の多くの理由は「3月議会で最終判断するから」といった理由でした。
2月、市長が基本協定に締結しても、しっかり議論し、くれぐれも慎重に判断いただきたいと思います。

 

以下、理由についての回答です。(回答順)

【賛成】
■改正 大祐 議員(大樹)
(○ )賛成
平成29年10月の市町村サミットで県域水道一体化の話が出てきたのが最初で、そして協議会が発足し内容については今日まで協議されてきたところであり、水道料金の抑制が大きなところではある。懸念していた内部留保資金については、公平感を確保するため優先的に投資を行うルールが検討されていること。また企業団議会について全体像は見えていない所はあるが、一定の方向性は見える。令和5年度に整理されることになっており、全構成団体から議員が選出され、定数、定数配分、任期などはより多くの住民の意見を反映する観点や、事情の異なる団体の意見を反映する観点を考慮されるとのことでこのような考えに至った。

■山田 耕三 議員(国民民主党
( ○ )賛成
市議会への報告におきまして、以下の点から賛成を致します。
 1.生駒市を含め奈良県全域の水道施設の集約化により、更新費用が抑制されます。
 2.国・県からの財政支援が10年間で414億円受けられること。
 3.上記2つの理由により水道料金が長期的に抑制される。
 4.老朽化した上水道管路の更新はよりスピードアップされる。
以下に説明資料を掲げております。市議会での報告された議事録は作成されていないものもありますが、令和4年は3月11月12月に計3度市議会への報告とそれに対する質疑がありました。
私はそれらを確認し近隣自治体や知人の地方議員からヒアリングし独自調査をおこないました。そして生駒市民みなさまにとって大きなメリットがあると判断しました。文字数などの制約等あろうかとは思いますが、可能な限りの掲載をお願いいたします。(続きはこちらから)※12ページ

■伊木 まり子 議員(無会派)
(○ )賛成
「水道」とは、水道法の定義では、導管及びその他の工作物により、水を人の飲用に適する水として供給する施設の総体をいう(第3条1項)とあります。人の飲用に適する水、つまり、生命を維持するために欠かすことのできないものです。生駒市民の命に直結する水道事業については非常に重要なものとしてその取組を見てきました。
県域水道一体化は人口減少に伴う給水人口や給水量の減少、東日本大震災の経験を踏まえた危機管理の見直しなど、水道事業を取り巻く環境の大きな変化に対応するために平成25年に策定された厚生労働省の新水道ビジョン、平成 30 年 12 月の水道法の改正、平成31年3月の策定された奈良県の新県域水道ビジョン等を背景に進められてきたものと承知しています。
県域水道一体化の目的は「将来の安全・安心な水道水の供給の維持」で、将来の安心安全のためには何よりも老朽化が進む水道施設への対応を第1に進めようとしています。
生駒市が令和3年3月に作成した令和3年から令和12年までの10年間の水道ビジョンにおいても、基本目標は50年後、100年後を見据えた「安全、強靭、持続」です。
生駒市の自己水の現状を含めた状況や課題などを基に作成された生駒市の水道ビジョンと県域水道一体化の方向は一致しており、これまでの県や市の説明から、反対する理由を見つけることができません。
なお、おいしい生駒の水については、確かに、かつて高槻市で勤務していた折には生駒市の水はおいしいと感じました。おいしさに井戸水がどれくらい関与しているかよくわかりませんが、平成21年から、県の桜井浄水場で処理方法を改善、高度処理水を受水することになったことや県に残留塩素濃度の低減化を働きかけたなども、おいしさの一因かと思います。
おいしさ云々は別として、まずは、安心で安全な水道水が災害時も含め将来にわたり、持続的に供給されることが何よりも大切と考えますので、県域水道一体化に賛成します。


【反対】
■塩見 牧子 議員(無会派)
( 〇 )反対 令和5年1月14日時点においては
令和4年11月29日の奈良県広域水道企業団基本計画(案)では、意思決定に係る組織・プロセスのフレームとして「経営上の重要事項には全構成団体の意見が適切に反映できるよう、全構成団体の長が関与できるしくみとする」とはありますが、重要事項(例示に基本計画の変更は含まれていない)は、企業長及び副企業長とで構成される執行機関が提起した議事を各自治体の首長からなる運営協議会で了承され、企業団議会で議決されることになっています。
 しかし、法定協議会への参加は、基本計画をもとにそれぞれの自治体議会で是非を判断するにも関わらず、ひとたび企業団議会を設置すると、例えば基本計画の変更であっても、各自治体議会の合意は不要で、企業団議会の構成議員だけで議決できることになりかねません。それぞれの自治体で「水事情」が異なるなか、少数意見が尊重されるよう、最低、基本計画の変更にあたっては全参加自治体議会の議決を要するようにするなどのしくみが保証されるべきと考えます。

■吉波 伸治 議員(市民ネット)
( 〇 )反対
一体化による水道料金の統一で、①純利益を出す自治体、と②赤字を出す自治体とが生まれ、①は赤字を補填させられ、市民の負担で得られた純利益という財産を失うことになる。そのため、生駒市と同じ①の奈良市・葛城市は不参加を決めた。水道事業を持続可能とするには百年の計である管路更新が必須であるが、それは生駒市単独でやる方が円滑にできる。一体化に参加すれば、「企業団」に水道事業の管理・運営・収益権を譲渡させられ、水道事業の自主性・自立性は永久的に失われ、また、県水購入と水道施設集約化を強制され、独自の水源と水道施設は喪失、災害に弱い自治体にもなってしまう。「企業団」はいずれ国の施策に則って、水道事業をもうけ・投資の対象にしたい民間企業に身売りする。つまり、民営化が行なわれる。

■竹内 ひろみ 議員(日本共産党
( 〇 )反対
水道自治地方自治の重要な柱であり、次の3要素からなっている。
自治体が水利権を含む水源の確保を図る
②水道施設の在り方についての自己決定権
③水道の料金体系についての自己決定権
県域水道一体化によって、これらすべてはく奪される。しかも後戻りできないこの計画には反対です。

■浜田 けいすけ 議員(日本共産党
(0 )反対
1.生駒市の課題について、生駒市で判断・決定できなくなる。
2.山崎浄水場が25年後以降に廃止され、自己水が半分以下になり、災害時のリスクが高くなる。
3.30年間で水道料金全体で市単独で水道事業を行うより191億円安くなると言うことだが、その根拠が不明確である。生駒市単独経営での財政シミュレーションは二転三転している上、供給単価と給水原価の差が生駒市だけ著しいが、根拠が分からない(市の事情と他自治体は同様の事情はないのか)し、事業統合した場合の財政シミュレーションとの整合性がとれているか疑問。差が著しい生駒市の事情は反映されているのか。


【回答保留】
■吉村 義明 生駒市議会議長(凛翔 絆)※
県域水道一体化については、3月定例会に法定協議会設置に関する議案が提出される予定であるとの認識ですので、その議案審議の状況をしっかり踏まえたうえで、議会として結論を出すものと考えていることから、現時点で一議員として本件に対する見解を述べることは、差し控えさせていただきます。

■神山 さとし 議員(無会派)※
①2023年1月23日の時点では、県域水道一体化への参加の賛成または反対の判断を行うため生駒市の示すメリットや、これまでの他府県での実例や奈良市の判断基準についてなど、調査を進めているところであり、ご質問をいただいたことに対しては大変に申し訳ないのですが、調査の途中において、拙速な回答をすることはできません。
現状で回答をするのであれば( 賛成または反対の判断を行うための調査途中段階です。 )という回答になります。

②の、ご質問については賛成または反対の回答を想定してのご質問だと思いますので、私の①の回答が( 賛成または反対の判断を行うための調査途中段階です。)という内容ですので、Q ②の理由には該当しませんが、現時点での調査内容について、なるべく簡潔に回答させていただきます。(続きはこちらから)※2ページ

■山下 一哉 議員(生駒市議会公明党
引き続き市民の皆様のご意見を拝聴したうえで、3月議会に上程される予定の法定協議会設置関連議案の審査等を踏まえ判断する為、現時点での回答は差し控えたいと思います。

■成田 智樹(生駒市議会公明党
3月議会に法定協議会設置に関連する議案が上程され、同議案の審査・審議が行われる予定と聞いております。その審査・審議を踏まえて判断いたしたく存じますので、現時点での回答は差し控えさせていただきます。

■中嶋宏明 議員(緑生)
3月議会にて議決する案件でありますので現在においての回答は差し控えさせていただきます。
お聞きいただいております主旨と異なる事をご理解くださいませ。よろしくお願い申し上げます。

■中尾 せつ子 議員(緑生)
この件につきましては、3月の議会で最終判断させていただきますので、現時点での回答は控えさせていただきます。

■梶井 憲子 議員(緑生)
生駒市の県域水道一体化の賛否についてご質問をいただきましたが、ご承知のように本件は3月議会で議決する案件でありますので、現時点での回答は控えさせていただきます。
ご理解賜りますよう、よろしくお願い致します。

■福中 眞美 議員(凛翔 絆)※
3月定例会前であり、現時点での回答は差し控えさせていただきます。

■惠比須 幹夫 議員(生駒市議会公明党
引き続き、市民の皆様のご意見を拝聴した上で、3月議会に上程される予定の法定協議会設置関連議案の審査等を踏まえ判断するため、現時点での回答は差し控えさせていただきます。

■片山 誠也 議員(無会派)
料金シミュレーションでは、将来的な水道料金が市単独経営より一体化に参加した方が安価になる見込みであることは大きなメリットであると考えられます。一方で、市民から不安の声があることも承知をしています。こうしたなかで、一体化の個人的な賛否については現在は検討をしているところであり、3月議会で一体化に関する議案が上程された際には、慎重審議の上、答えを出す予定です。ご理解の程よろしくお願いします。