【奈良県広域水道企業団議会より回答】奈良県の持続可能な水道への要望書
奈良県の持続可能な水道への要望書(陳情扱い)を企業団・企業団議会、各市町村・各市町村議会に送ったところ、奈良県広域水道企業団議会から企業団長および委員の連名で以下の回答が届きました。(企業団は回答待ち)
私たちの要望に対して
・企業団の将来にかかわる重要な問題提起である
・不安や疑問ばかりの声が上がっている
・水の安定供給は重要な課題
・地域ごとの自己水源や既存施設の在り方について、防災・減災の観点から十分な検証が必要
・県民や市町村に対し、企業団からの十分な丁寧かつ分かりやすい説明が必要
・この陳情の内容は企業団議会の課題と考え、全議員に配布し、企業団議会の議論の参考にする
という満額に近い回答をいただくことができました。
次の企業団議会の開催は、昨年実績では11月。
しっかりと議論をいただき、少しでも良い方向に動くことを望みます。
※以下回答を抜粋貼付 ↓

【広域水道企業団・加盟市町村・議会に送付しました】奈良県の持続可能な水道への要望書
2025年4月に始まったばかりの、奈良県広域水道企業団での水道ですが、スタートから課題が続出しています。
・大滝ダムの渇水による給水制限
・2027年度から赤字が想定されている
・エリア再編
・職員採用が進まない
など、効率優先で進めてきた県域水道一体化の問題点が早くも明らかになっています。
企業団の大きな問題の一つが、情報公開と市民参加が後退することです。
市町村に水道職員が不在のため、首長・市町村議員にも十分な情報がいきわたっていないことも問題です。
奈良県の持続可能な水道事業の運営のため、私たちは、以下要望書を企業団、加盟市町村及び各市町村議会に送付しました。
―――――――――――――
2026年5月29日
奈良県広域水道企業団企業長 山下 真 様
企業団議会議長 川田 大介様
奈良県の持続可能な水道への要望書
奈良の水道問題を考える市民フォーラム
E-MAIL:info●am-net.org (●を@に変えてください)
はじめに
奈良県広域水道企業団(奈良市・葛城市を除く26市町村及び県が参加)が発足して1年が経ちました。
しかし、早くも計画の見直しが必要になっています。
県は「大滝ダムが完成すれば20年に一度の渇水でも対応できる」と説明してきました。しかし2026年ダムの貯水率は一時5%台にまで下がり、企業団は3月31日から一律7%の給水制限を開始、梅雨の時期まで続くとの見通しを示しました。その一方で「浄水場の廃止は計画通り進める」として、給水制限のさなかの今年4月1日北郡山浄水場を停止し、廃止準備が進んでいます。加えて、送排水施設の廃止を当初予定より早める広域化施設整備計画も出されました。今後、天理市や桜井市の浄水場など主要浄水場だけで6つが廃止される予定であり、「渇水なのになぜ自己水源を減らすのか」と怒りが広がっています。
経営面でも、当初5年間で約70億円の黒字という計画が逆に、人件費・物価の高騰により、厳しくみて来年度から11億円の赤字となる見込みであることも示されました。そのため、「5年間水道料金維持」の予定が、早くも値上げが見込まれる状況です。
また、市町村ごとに現在26ある事務所を、当初計画では5エリア5事業所に再編する予定でした。しかしエリアをさらに再編し、3エリアに削減する予定へと、計画を一年で変更し「住民の相談が遠くなる」「漏水の対応が心配」という首長の懸念もでています。
人員確保も「企業団のメリット」と県は説明してきました。しかし、1年目の職員採用は定員20人のうち事務職3人のみで技術職は採用できず、この状況では技術の継承が懸念されます。
大滝ダムの渇水が想定外だったこと、来年度から赤字が想定されていること、エリア再編により住民サービスが後退しかねないこと、職員採用が進まないことなど、効率優先で進めてきた県域水道一体化の問題点が早くも明らかになっています。私たちは、持続可能な水道事業の運営のため、以下要望致します。
勝手ながら、6月25日までの文書によるご回答を要望いたします。
記
1,渇水対策について
この問題は奈良県外でも同様であり、温暖化など気候危機の影響は否めません。一時的な「想定外」の問題ではなく、今後も想定した持続可能な対策が必要です。
①市町村の主要水源の廃止を延期・撤回するなど、ダムだけに頼らない明確な水源対策、供給整備を示すよう要望します。
2,災害対策について
奈良県は国が指定する南海トラフ大地震想定地域であり、さらに奈良盆地東縁断層帯による大地震も「想定範囲」です。南海トラフに関連深い、「中央構造線断層帯」は和歌山海溝から、大滝ダムの浄水場がある御所市及び、五條市、葛城市を貫きます。
また、桜井浄水場の送水ルート周辺は奈良盆地東縁断層帯であり、県内2カ所の主力水源ルートが県内最大の断層に位置する危険性は想定されなければなりません。
①現在廃止予定の自己水源を災害対策として維持するよう要望します。
②併せて管路や浄水施設の耐震化率の計画が、当初計画(基幹管路の耐震適合率一体化30年後見通し81%など)からどのように変わるのか示してください。
③大阪府は災害井戸の普及拡大に取組んでいますが、奈良県は「災害井戸は市町村任せ」としています。県の責任ある水源確保の取組みを要望します。
3,水道料金について
4月23日奈良新聞において、料金改定の検討について報道がありました。
物価高騰の赤字に加え、給水制限による収入減、国と県からの補助金422億円が国交付金内示率100%で想定されていたことからの減額不安要素など、当初計画で言われた事業統合のメリットが見えなくなっています。
5年間従前料金で据え置きとする経過措置を行うと県は一体化の際、県民に説明してきました。「さらなる物価高騰と値上げの危険性」は一体化前の市町村議会で度々指摘されましたが、「余裕ある財源メリット」があるとして、統合を進めた責任は極めて重いものです。
①水道料金に転嫁する前に、県民に財源状況の説明及び明確な対策を示すよう要望します。
4,エリア再編による事業所削減・人材確保について
一体化当初5エリアで設定されていたエリアをこれ以上削減し拡大することは、きめ細かな地域対応、対策および渇水・災害のリスクに対し、さらに弱体化させるものです。
また、5エリア5事業所から3エリアになることで、従前市町村ごとに26あった事業所が将来3事業所に削減される懸念もでてきます。
①これ以上のエリア拡大はせず、市民の声が届きやすい運営にするよう要望します。
②エリア再編の理由及び人員不足の現状と、今後の対策を示すよう要望します。
5,県民への情報公開と説明責任
①市町村に対し、説明責任を果たしてください。給水制限も報道で知ったという市町村の声も聞いています。適宜、市町村および市町村議会への情報共有を要望します。
②企業団議会に対し、決定事項を流すだけでなく、情報共有ならびに委員会を設置するなどしっかりと議論する場を設定いただくよう要望します。
③県民に対し、正副企業長会議・運営協議会・テーマ別部会・企業団議会等、すべての議論について会議資料の公開、傍聴および議会の動画配信(同時配信・アーカイブ)をWEBで公開してください。
④同時に、市民に説明するとともに、市民の声を聴く機会を定期的に設けてください。まずは上記1,~4,について企業団として説明会を開催いただくよう要望します。
以上
――――――――――――――――
印刷用は以下ファイルをどうぞ!
【掲載用】奈良県の持続可能な水道への要望書260529.pdf - Google ドライブ
※以下、企業団のチラシより

【大和郡山市】水道一体化の説明会が開催。郡山市の参加メリットは交付金と水源廃止のコストカットのみ
ですが、大和郡山市では可決。無事開催されました。
(市民説明会の開催を、議会が否決するなど通常ありえません)
説明会には、73名が参加されたとのことです。
やはり、まだまだ「知りたい」と思う市民が多いということが分かります。
質疑応答では
「市の広報に、昭和浄水場が残るとは書かれたが、北郡山浄水場が廃止されることは書かれていない。なぜか。
市民への説明が不十分すぎるのではないか」
など、多くの疑問、質問が上がりました。
(市の水源が何個あるなんて普通知らないしね…)
1時間説明、1時間質疑応答で、
更問いをOKとしていたことは評価しますが…
ご本人がマイクを離すまで何度でも質問を受けたため、多数他に手が上がっているのに、かなりの方が当たらないまま終了。
更問いができるのはとても良いと思いますが、回数制限もできたはず。
進行に課題アリ、でした。
(手を挙げても当たらない人からすれば、質問者に怒りが向きがち。それはあるべき姿ではなく、進行の問題)
山下知事は、これまでの県のシミュレーションがおかしいからやり直すと言っていたはずが、やり直したのでしょうか?
内部留保の80億円が奪われる、と一体化参加に慎重だったはずなのに、
「どうせ単独経営でも内部留保は減る」という市の資料。
→状況が変わるわけもなく。前から分かっていたはず
「持ち込み資産に併せて郡山の更新をしてくれるようルールが変わったからOK」
旨の市長。
→市の資産でできることを、お願いしてやってもらうスタイルに変わってもいいと?


県と国からの交付金について、
単独経営を続けた場合は、「広域化交付金等」はもらえないものの、「重要給水施設配水管」はもらえます。
一体化に参加と不参加(単独)の場合の郡山市の比較はこちら。

結局、
国・県の広域化の交付金(奈良県全体で422億)
北郡山浄水場の廃止による、水源維持のコストカット
だけが、参加のメリットだとわかります。
奈良県域水道一体化で広域化事業を全て民間に丸投げ!企業団必要収入額の4割民営化で、技術継承が更に困難に
奈良県水道一体化の広域化事業の予算すべてを使って、730億円規模の細切れの民営化が10年間で進むようです…!
年にすると73億円。企業団の必要収入額が年180億ですから、全体の約4割を占める巨費です。
これほどの事業規模のPPP/PFIを受けられる企業は奈良県内にあるでしょうか?
10年間も施設更新や管路の更新投資を民間で続けた後、職員に技術継承などできるでしょうか?
しかも最後の技術職員の塊である年代、団塊世代が完全引退の時期と重なります。
最後の技術継承の期間を民間にゆだねていいのでしょうか?
(そもそも技術継承ができていないことも一体化の理由なのに、改善どころか悪化する!怒)
以下その詳細です。
奈良県HP県域水道一体化の取組/奈良県公式ホームページ の一番下にある
奈良県広域水道企業団水道事業に関するPPP/PFI提案窓口について/奈良県公式ホームページ
ここを見ると、水道事業の民営化(コンセッション)の提案は受け付けない、とするものの
>以下のリンク先に掲載されている各種計画等に掲載された事業に関し、PPP/PFI方式(PFI、DB、DBO、DBM、包括委託)による事業のご提案がございましたら、以下担当までご連絡ください。
とあります。
PFI法/水道法改正により、区切れる範囲での民営化(PFI)が認められることになりました。
つまり奈良県は「水道事業全体」は民営化しないが、広域化事業の施設や管路の更新など幅広い業務を民営化する、その提案を受け付けているということです。
※水道民営化の手法はさまざまですが、民営化と通常言われるものの多くの手法は、PFI/コンセッションです。
※記載されているDB/DBO/DBMはすべてPFIの手法です。
国・県・企業団で「水道広域化に国・県の財政支援を活用する」のが、一体化の最大のメリットです。
その額約600億。
一体化のメリットを、全て民間に丸投げするなんて…

https://www.pref.nara.jp/secure/244156/kensetuiinkai20230303.pdf
※企業団5年間の必要収入893億円(年180億)、奈良県令和6年度当初予算5440億円
※事業期間はすべて 令和7年度から令和16年度まで
1 広域化事業
(1)概算事業費(交付金) 317 億円(106億円)
(3)事業内容
旧用水供給事業の浄水及び送水施設の更新 ・集中監視制御システムの整備
・旧事業体間の水道施設をつなぐ送水管等の整備
2 運営基盤強化等事業
(1)概算事業費(交付金) 317 億円(106億円)
(3)事業内容 :老朽管の更新 ・老朽施設の更新
3 重要給水施設配水管
(1)概算事業費(交付金) 100 億円(25億円)
(3)事業内容 :配水池から重要給水施設への管路の更新(106億円)

知事が変わり水道一体化は何が変わったのか。説明会開催要請を生駒市議会は否決(2024年6月議会)
山下知事には当選後すぐに出した、予算執行停止リストに水道一体化も入りました。
どのように変わったのか。
未だに2つある生駒市の浄水場の一つが廃止決定すら知らない市民が多数の中、市に対して説明会の開催を求める請願書を提出しました。
しかし…6/25本会議で、生駒市議会は否決。
賛成は紹介議員の塩見牧子氏、竹内ひろみ氏、浜田けいすけ氏と
紹介議員ではありませんが、神山さとし氏、加藤裕美氏の5人。
他議員はすべて反対という残念な結果に…。
提出した請願書はこちら。
「9月の最終決定前に、法定協(一体化が議論されている場)での議論を踏まえた説明会を開催してほしい」の一点ですが、否決されてしまいました。

https://www.city.ikoma.lg.jp/gikai/cmsfiles/contents/0000035/35264/seigan_r06_001.pdf

一体化への議論の場に加わる前の、2022年11月の説明会開催を求める請願は採択され、説明会も開催されたのですが…
一人でも多くの市民に知ってほしいと思っていたのですが、非常に残念です。

