奈良の水道問題を考える市民フォーラム

奈良「県域水道一体化」で地元の浄水場がなくなる。5年に一度水道料金が上がる。一体化の後は民営化?奈良の水道の将来を考えるために個人・団体が集まり活動している市民団体「奈良の水道問題を考える市民フォーラム」のブログです。

【生駒市】市主催の説明会!&今後の街頭宣伝予定&生駒市参加の問題点(陳情書)のご紹介

生駒市が一体化の説明会を11月20日に開催、約120名が参加したとのこと。

市議会議員も複数来られていました。

当日資料は市のHPリンク先にありますので、概要を知りたい方はご覧ください。

会場から出た質問は全て、HPで公開されるとの事ですので、要チェックです!

www.city.ikoma.lg.jp

 

ただやはりこの説明会「都合が悪いこと」は、ほとんど説明されていないのです。

(私たちが請願書を提出し、議会が採択しなければ開催しなかったろう説明会ですが、市長が自ら開催したような口ぶりに、皆驚きを隠せず…笑)

一体何が問題なのか。チラシよりも詳しく知りたい方は、生駒市の水道を考える会 呼びかけ人であるAMネット武田が、議会に提出した陳情書をご覧ください。(この記事の末尾)

 

そして、生駒市では新たなチラシも完成!

これまで何度も生駒駅前での街宣を実施していますが(説明会前や、22日も実施しました)今後の生駒駅前での街頭宣伝は以下を予定しています。


11月29日(火)17時~18時
12月6日(火)14時~15時

11月27日(日)14:45~@セイセイビルで、学習会も予定しています。

https://naramizuforum.hatenablog.com/entry/2022/11/11/223027

ぜひご参加ください!

 

<参考>ー-------

生駒市が一体化に参加しないことを求める陳情書

1、要旨

将来世代のためにも、生駒市は県域水道一体化に参加しないことを求めます。

 

2、理由

① 生駒市が適切な判断をできるのかが疑問です。

市長は「30年間で191億円の水道料金抑制のメリットがある」と説明し、今の世代は国・県の補助金により一時的に加速化した老朽化対策の恩恵を受けるかもしれません。しかし、奈良市離脱後の県による財政シミュレーションデータさえ、県民・市民に公表されていない中、市が適切な判断ができるとは思えません。

隣接市でもある四條畷市は、令和20年まで赤字にならないことを踏まえて、真っ先に事業統合を行ったものの統合の約3年後、13 年前倒しで令和7年度には単年度赤字発生との大阪広域水道企業団から説明を受ける事態となりました。

https://www.wsa-osaka.jp/material/files/group/2/r2_dai2kaikubichokaigi_gijigaiyo.pdf

 

② 県域水道エリアを統一料金化するには無理があります。

現在、水道料金の安い葛城市や大淀町をセグメントとして30年間で順次統一料金化するなどの無理に加え、統合前から、構造的要因を抱える6市町村が令和5、6年度に生じさせた欠損金は、基本協定締結を条件に一般会計からの繰り入れもないまま、その負債を処理することなく企業団に引き継げるなどの不公平もあり、従来から高料金対策費等の国の支援を受けていた市町村からの繰り入れもなくなります。

その額はどれほどか、市は把握しているのでしょうか。無借金経営という稀有な健全経営をする生駒市が、将来に渡って穴埋めする仕組みになると考えます。

 

③ 生駒市にとっての一体化の目的が、県と国からの「財源目的」に変わっています。

昭和6年から営々と築き守られてきた生駒市民の共通の財産ともいえる水道インフラを、将来世代に確実に引き継ぐべく努力するのが行政の責務ではないでしょうか。

統合後から10年間という、短期的な利益と引き換えにすべきではありません。

 

④ ダムの維持管理費の高騰が懸念されますが、検討はなされたのでしょうか。

紀の川水系のダム(大滝・大迫・津風呂)は堆砂が深刻であり、企業団の負担金上昇は予断を許さないでしょう。特に大滝ダムは何度も地滑り対策を迫られており、堆砂率も非常に高く、将来のダムの維持管理費の県の試算は適当でしょうか。ただでさえ奈良県水の料金は全国平均より高く、県水の比率が高まるほど、将来世代が損をするおそれがあります。

 

<参考値:大滝ダム>(出典:奈良の声) 総建設費3640億円(県負担金606億円)

地滑り対策(総額約382億円)。工期~2023年3月分は43億9000万円(国負担2/3)

 

⑤ 生駒市の水源が、企業団の水源に変わります。

他市町村の水源すべて失う中、真弓浄水場の存続を決めるのは企業団です。真弓浄水場存続により将来的には1/6となる地下水(深井戸)の占める水量も、確実に担保されるかは疑問です。また山崎浄水場の浄水機能が令和30年以降まで確実に存続されていくと信じていいのでしょうか。基本協定・基本計画に、法的拘束力はありません。

 

⑥ 企業団に決定権が移ります。

先行事例である大阪広域水道企業団では、大阪府が策定した「おおさか水道ビジョン」に基づき、企業団を核とした府域一水道の実現をめざしています。結果、市町村側は、施設の統廃合も、料金変更決定をする企業団に対し、市町村側は「経営努力で料金上昇の抑制」をお願いすることしかできません。

 

⑦ 失敗しても元には戻せません。

県域水道一体化は、県単位での垂直統合(広域化の中でも一番ハイレベルな手法)かつ、水道料金一本化(事業統合後の目標とされるのが統一料金)を同時に行う日本初の試みであり、未知のリスクをはらんでいます。水道事業の認可を廃止するため、元に戻せません。

 

⑧ 将来、水道民営化の懸念も残ります。

現知事・市長が民営化しないと断言し、基本計画・基本協定に記載されたとしても、決定するのは企業長や企業団であり、なんら担保されていません。企業団の仕組み上、将来、民営化などの企業団の暴走を、市長や議員が反対しても、止めることはほぼ不可能です。

 

<参考>荒井知事は2016年12月、政府主催の未来投資会議にて「奈良県のPPP/PFI事業等の取組」と題し、県域水道の今後の展開に「業務効率化のためのPPP/PFIやコンセッション方式を検討」と発表しています。(PFI/コンセッションは、水道民営化の主たる手法)

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/ppp_dai2/siryou1.pdf

 

⑨ 大規模な企業団のもつ多くの課題に、未だ解決方法は見つかっていません。

一般的に企業団議会は年に2・3回、30分~1時間程度で形骸化しています。

大阪広域水道企業団議会では、42市町村に対し、議員定数33人です。定数変更(各市町村最低一人)を複数議員が議会で何度も要請していますが、未だ実現していません。しかも、議員が一人3つしか質問することができない縛りもあり、活発な議論はありません。

 

企業団由来の問題に加え、奈良県と26市町村で構成する大規模な企業団議会で、市町村の意見の反映は困難です。企業長暴走の懸念に加え、情報公開請求制度がある企業団も少なく、生駒市議会で質問しても「企業団に聞いてみる」という回答しかできなくなります。

 

⑩ 生駒市に水道を知る職員はいなくなり、企業団をチェックできなくなります。

統合当初は構成団体から職員を派遣するとはいうものの、併せて企業団への転籍や新規採用も必要となるため、将来の企業団には「元生駒市職員」もいなくなります。企業団の執行に対し、生駒市として適切に判断することが困難となるのは明らかです。

 

以上