奈良の水道問題を考える市民フォーラム

奈良「県域水道一体化」で地元の浄水場がなくなる。5年に一度水道料金が上がる。一体化の後は民営化?奈良の水道の将来を考えるために個人・団体が集まり活動している市民団体「奈良の水道問題を考える市民フォーラム」のブログです。

広域化が災害復旧を遅らせる!『能登半島地震後の水道復旧が遅れるのは「県水」が原因』報道ステーションでの報道をご紹介

2024/1/22の報道ステーション(動画約5分)で、
能登半島七尾市だけ、断水が長期化している。
それは「県水が原因」という解説が報道されました。

以下、一部画像を抜粋して紹介します。

石川県内の水道復旧見通しは、七尾市がダントツ遅いことが分かります。

一番復旧の見込みが遅いのは七尾市

珠洲市輪島市は県水を利用しない「自己水*」を使っており、水源に距離がありません。
しかし七尾市は、7割の世帯が「県水*」を使っています。

*「自己水」水源河川など市町村が持つ水源
*「県水」都道府県が持つ水源

七尾市は「県水」を使っている地域が多い


市町村の持つ水源である「自己水」は基本、市内に水源があります。
しかし県水は七尾市まで、約100km離れた手取川の取水地から運ばれています。
その途中の7km部分が漏水調査中。

 

漏水調査にはかなりの手間がかかります。

また100kmも離れた場所から水を送るのですから、かなりの圧力が必要です。
そうなるとより慎重な調査が必要となり、時間がかかってしまう、というわけです。

 

市町村が持つ水源を「自己水」、
不足分を都道府県から「県水」を購入し、
全国の水道は、市町村で水道を運営していました。

 

国が進める「水道広域化」で、市町村の水道を廃止したり、

市町村が持つ水源(自己水)を廃止することで更新費用を削減、県の水に置き換えていく、水道広域化が進んでいます。

 

奈良県の「県域水道一体化」はまさに、
奈良県内の市町村の持つ自己水をほぼすべて廃止し、県水に置き換える計画です。
奈良市の離脱により、現計画では大和郡山市生駒市の水源は約半分喪失に変更)

 

水は「運ぶ」コストが一番かかります。

例えば生駒市
県水に置き換わると、水源は約20kmと遠く離れます。

身近な水源「自己水」の維持を「コスト」とみて削減対象とするのか、

災害時に強い「自己水」として残すべきか。

※市町村が準備している災害対応の水は、ほぼ飲用水。生活用水ではありません。

 

能登半島地震は他人事ではなく、自分事としてとらえる必要があるのではないでしょうか。