災害に学び命の水を守るシステムに
1月1日に起こった能登半島地震にはびっくりしました。お亡くなりになった方々のご冥福を祈るとともに、被害にあわれた方々が一日も早く元の生活に戻れることを願っています。
この地震で断層の怖さが改めて認識されました。
また、水道の復旧がなかなか進まないことが大きな問題となっています。原因の一つとして自己水ではなく、離れた水源から送ってくる県水の影響との報道もあります。
今 奈良県が進めている水道一体化事業はこのような地震が起こった時、被害をどの程度食い止めることができるのか心配です。
一体化事業では維持管理費、施設の更新費用を少なくするため、浄水場を県水の桜井浄水場と御所浄水場に集約して、市町村の浄水場は廃止する計画です。
奈良市が加わらなくなったため、生駒市と大和郡山市の浄水場を1か所ずつ残すということになりました。これで必要な水量は確保したので、ほかの施設はいらないというのです。
水の不足分を県水から買うというシステムで、どちらかに事故があっても補完しあう関係でした。ところが県水の浄水場だけにしてしまうと、リスクが大きくなり、県水の浄水場で事故があった時、被害は大きくなります。
奈良県には桜井浄水場と御所浄水場の2つ、浄水場を持っています。
南海トラフ巨大地震が起これば、名張断層も影響を受けて、動くかもしれないし、名張断層が震源地になる可能性もあります。
2008年ごろ桜井浄水場で高度処理の工事をしましたが、山を切って平地にしたところ、山が滑り出しました。
アンカーを打つ工事をして滑りを止めていますが、こんなに滑りやすいところなのです(写真)。
浄水場に被害があれば復旧には多大な日数がかかります。
一体化事業の浄水場の集中を見直し、リスク分散型にし、優良な自治体の浄水場の存続を図るべきです。