奈良の水道問題を考える市民フォーラム

奈良「県域水道一体化」で地元の浄水場がなくなる。5年に一度水道料金が上がる。一体化の後は民営化?奈良の水道の将来を考えるために個人・団体が集まり活動している市民団体「奈良の水道問題を考える市民フォーラム」のブログです。

【生駒市】水道一体化参加へ踏み出しました。生駒市の議員のみなさんの、賛成・反対討論概要をご紹介します。

生駒市の県域水道一体化への参加。
非常に残念ながら結果は、県域水道一体化への道に、一歩踏み出してしまいました。
(一体化参加の正式決定は、2年後の予定)

3/13の委員会審議を経て、3/24本会議で採択された結果は、

吉波、塩見、沢田、神山、浜田各議員が反対の意見をのべ、竹内議員の6人が反対。
賛成意見を述べたのは梶井議員で他賛成。

反対討論は、どこに各議員の興味関心があるのか、興味深いものでした。

ぜひ、4/23の統一地方選の参考になさってください。

生駒市の一体化参加に関する議会の議決

以下、雑駁ですが各議員の賛成・反対討論を紹介します。
(詳細は以下リンクの28:30ごろから始まります。

令和5年3月24日本会議 - YouTube

■吉波議員:反対討論
生駒市の県域水道一体化への参加は、水道事業の主体的・自主的な管理・運営・収益権を放棄させられることだ。井戸が水源の自己水を失い、職員の努力と市民の負担により生み出された純利益は、赤字自治体の赤字補填に回される。
その結果、水道事業を持続可能とする100年の計である管路更新が他自治体に足を引っ張られ、円滑にできなくなる。
水道法改正後の一体化の目的は何か。民営化のためにはバラバラの各市町村の水道を、一体化で一つにすることで、民営化の道筋がつけられた。市民の共有財である水道が壊されるので反対。

■梶井議員:賛成討論
一体化に向けた状況が大きく変わる中、参加のメリット・デメリットの報告を受けた。
結果、市民の払う水道料金が、単独より一体化に参加したほうが安くなることを一定理解した。管路更新について、生駒市の計画通りに進め、単独より更新が早いと期待できる。
一体化への途中参加が認められない、国・県の補助金は10年のため、先延ばしにすれば、補助金を受ける期間が減るデメリットがある。
協議会で生駒市が優位な立場になったことなど、メリットが大きいと考える。
半面、市民が正しく認識されると言い難い状況。更に重要なことが決まっていない。
水道料金がどうなるか、企業団の組織構成、職員の体制・処遇等は何も決まっていない。
協議会の副会長市として舵取りし、丁寧な議論で解消できるのではないか。
企業団による事業運営が、市民からかけ離れたものとならないよう仕組みを構築するため議論、市民に示されるべき。市民が良かったと思われるよう市は尽力し良い企業団になることを期待し、賛成する。

市の説明そのままですね…参考までに、水道料金抑制メリットの解説画像はこちら。

 

■塩見議員:反対討論
国と県からの補助金、インフラのダウンサイジング、水道料金の抑制についてはメリットか。
自己水源が乏しい生駒市は、企業団水の単価が不明。
企業団に参加せねば単価が上がるリスクもあり、コスト論から反対する理由はない。

しかし水のインフラを、他インフラと同等に効率性だけでは考えられない。最終案を示したが、意思決定プロセスは11月案から変わらず、不確定要素が多い。
法定協議会参加の際、基本計画案を各市町村議会で可否をかかるのに、将来、基本計画に重大な変更があっても、市町村はおろか・企業団議会の議決が必要かどうかも不明。

参加自治体の中で、企業団水源から最も遠く、水源をもつ、生駒市は少数派。
企業団経営からすれば、自己水源はないほうが効率的。大多数の参加自治体にとって非効率だと認識される中、仮に廃止するとなったとき生駒市長一人の意見が通るのか。
少数派の自治体の住民の意思が反映されるルールの担保がない。未成熟の基本計画案のまま議決することは、将来世代に責任を負えず反対する。

■沢田かおる:反対討論
おいしい水は生駒市の宝であり誇り。市主催のイベントでも、水道水のおいしさをPRしてきた。反対の理由は3つ。

1,令和30年以降に、山崎浄水場が廃止。生駒市おいしい水の中身が変わる。
自己水が16%となり、北エリアはブレンド、南は県水100%となる。地産地消の観点から地下水を大事にすべき。

2,企業団は市民の意見が届きにくい。今は、市の議員全員が質疑できるが、企業団になると、生駒市選出は1~2名と数名のみ。市民から水道が遠くなる。

3,大和郡山市の参加表明が12/1。条件が変わったにも関わらず、議会が調査する時間が短い。不確定、時期尚早と考える。

■神山さとし:反対討論
全ての自治体が参加するSIM(シミュレーション)から、自治体が減り、不確定な説明を受けてきた。企業団参加予定市町村が欠ければ変わる。基本的なことしか決まっておらず、市議会の採決後に変更がある状況。

大切な水道の判断をするのに、条件が整っていないまま採決を求められている。
多くの相談・意見を聞くと、市の説明が伝わらず、市民への説明が全く足りていない。


ころころ変わる条件、不確定な時期、内容。前議会で、最終決定の時期を確認すると、市長は「仮定の質問だから意味がない」と回答。
不確定な議案を市が出してこなければ、このような質問はしない。最終決定が今と認識している市民が多い中、市民の不安を理解していない証拠。

市の説明と市民の理解が違う事、市民への周知を放棄したまま賛成できない。
水道は市民理解を得ねばならない。猶予期間を検討し、企業団設立までは途中参加を提案すべきだが、市はその提案も協議も行っていない。
一体化は不確定部分が多いこと、市民生活に不可欠な水道の基本計画が、市の採決後、変更される恐れがあること、何を根拠に賛成するのか説明責任が果たせないことから反対する。

■浜田議員:反対討論
災害時のリスクが大きくなる。一体化参加により、34%から16%に下がる。災害時県水がとまれば、お風呂が3日に一度から、1/6日になる。災害リスクを甘く見てはいけない。
料金設定、山崎浄水場を残す、コロナ化の基本料金減免、管路更新など、水道への決定権を失う。
一体化後、生駒市より緊急性が高い地域に重点がおかれると考える。リアルな想定で考えるべき。塩見議員の指摘の通り、企業団では、生駒市の意見が通らないと想像される。

30年間で単独より191億円水道料金が安くなるというが、その前提のデータが示されていない。市単独は数字があるが、統合後の数字の根拠がない。
30年間の4000億円超の事業規模からすると、メリットがかなり小さい。
料金が高くなると想定される。料金抑制とする、191億円はかなり疑問。
当初なかった県からの財政支援103億円を足しても、当初計画より、抑制効果額は小さくなった。
水道事業は、現場と数字が極めて重要だが不透明。
こういったデメリットから反対する。

ーーーーーーーーここまで

 

ぜひ、4/23の統一地方選の参考になさってください。