奈良の水道問題を考える市民フォーラム

奈良「県域水道一体化」で地元の浄水場がなくなる。5年に一度水道料金が上がる。一体化の後は民営化?奈良の水道の将来を考えるために個人・団体が集まり活動している市民団体「奈良の水道問題を考える市民フォーラム」のブログです。

【大和郡山市】市議会議員への公開質問状の結果報告

大和郡山市】市議会議員への公開質問状の結果報告

大和郡山市の県域水道一体化の参加について、20人中、賛成2人、反対4人、保留3人、回答なし11人という結果になりました。

 

1月25日回答期限で、市議会議員20人に県域水道一体化の参加を問う公開質問状を特定記録郵便で送付しました。

結果をまとめましたので、お知らせします。

https://blog.hatena.ne.jp/naramizuforum/naramizuforum.hatenablog.com/entries

1,「県域水道一体化」への、本市の参加についての考えをお教えください。
①本市の参加に
(  )賛成
(  )反対

②その理由をお聞かせください。

 

結果

 

【賛成】

東川勇夫議員

林浩史議員

 

【反対】

上田健二議員

尾口五三議員

徳野衆議員

丸谷利一議員

 

【保留】

河田和美議員

村田俊太郎議員

福田浩実議員

 

【回答なし】

関本真樹議員

金銅成悟議員

池田篤美議員

堀川力議員

大垣良夫議員

遊田直秋議員

西村千鶴子議員

冨野孝之議員

吉川幸喜議員

西川貴雄議員

乾充徳議員

 

各議員からの回答内容は以下のとおり

【東川勇夫議員】

「県域水道一体化」への、本市の参加についての考えをお教えください。
①本市の参加に
(〇)賛成

②その理由をお聞かせください。
 本市が現状でいけば、今後、老朽化した昭和浄水場の改築、北郡山浄水場の改修などで、50億円から60億円の費用が必要とされ、その上に老朽管の入れ替えも急務であり、より大きな費用が必要となり、水道料金に跳ね返り、市民の負担増となるのは確実である。
 現代、民間企業の多くが合併しているように、「県域水道一体化」に参加することは、中小企業から大企業になるようなもので、国からの補助金もあり良いことと考えます。
市民の命を守るためにも、水は絶やすことはできず、もしもの時にも市民に安心して水の提供ができる奈良県下有数の規模を誇る昭和浄水場を残し守っていけることも最高の条件であるからです。

【林浩史議員】

「県域水道一本化」への、本市の参加についての考え方について

①本市の参加に

(○) 賛成

②その理由をお聞かせください。

 奈良県の2年前の当初の参加条件では、本市の自己水源(浄水場)が廃止され、本市の水道事業資金(約75億円)を全て無条件で引継ぐこととなっていた。この事はあまりにも強引であった。 本市は『自己水源の確保』 『持ち寄る資産にかかるルールづくり』を要望して協議を続けていた。

 その後、昨年の11月29日に新たな参加条件が示され、本市の自己水源である昭和浄水場存続、引継ぎ資金についても配分のルール化がなされる事となり、加えて水道管改修の更なる促進、将来における水道料金の抑制も可能となる。

 この様な観点から、将来的に、一本化に参加するメリットは大きいと考え、一体化には賛成であります。

 

【上田健二議員】

「県域水道一本化」への、本市の参加についての考え方について

①本市の参加に

(○) 反対

②その理由をお聞かせください。

 お金や浄水場など市民の財産を失うから。

 大和郡山市の水道経営は、全国で稀(まれ)にみる黒字経営を続けており、1996年から値上げを行わず県下で3番目に安い料金体系となっています。

しかし、県一体化になれば料金の県下統一で、5年に1度大幅な値上げは避けられません。

 防災面からみても、本市が持つ深井戸の自己水源確保の重要性が再認識されており、近年の豪雨災害で浄水施設が水没しても井戸水が復旧に役立っていることが全国で報告されています。昭和浄水場と北郡山浄水場の両方を残すべき。

 

【尾口五三議員】

「県域水道一本化」への、本市の参加についての考え方について

①本市の参加に

(○) 反対

②その理由をお聞かせください。

 水道は地方自治体の責務であり、権利です。

 企業団に参加することはその責務と権利の放棄です。

 地方自治体としては、あってはならない事なので、反対です。

 

【徳野衆議員】

「県域水道一本化」への、本市の参加についての考え方について

本市の参加に
( ○ )反対
②その理由をお聞かせください。
 北郡山浄水場の廃止となれば、これまでの郡山自己水50%が維持できなくなります。自己水は市民の歴史的財産でもあり、震災にも強い水源。
 南海トラフ地震が危惧されるなか、市民の命綱を削ることは許されません。
また、北郡山浄水場は防災基地となる市役所の水源でもあり、震災時に水の維持ができないことは、防災基地の管理運用も危惧されます。
 奈良市の脱退以後、奈良県は、当初廃止を計画していた「昭和浄水場」を急遽「維持する」と譲歩してきましたが、一体化参加となれば企業団の判断に委ねられ、元々廃止の計画が履行される危険性があります。
 また、もう一つの譲歩として、引き継ぎ資金額の大きな団体(自治体)に「当初10年間優先投資」と言いますが、企業団に委ねられれば管路更新率の低い団体(自治体)に投資優先されることは充分に想定されます。(郡山の管路更新率は県平均0.55%を遙かに凌ぐ1.34%)以上の2つの譲歩条件には「絶対」という担保がなく、これまで維持されてきた地下浄水場廃止となれば二度と復旧できず、地震災害が多い状況で「防災・被災者対策」を断つ愚行とも言えます。
 現在、市の運用だからこそ、コロナ禍や物価高騰対策での水道料金無償化や、市独自の水質検査の維持、市内の中小零細業者への発注、災害時の緊急対応などができています。
 県一体化となれば、今後これらの運用に対する市民の要望や意見は、議員を通して市議会で提案・改善・決定もできなくなり、県全体の「効率化」が優先されます。
県が示す水道料金のシュミレーションも極めて懐疑的であり、誇張されているのは明らかです。
 なにより、市民に奉仕する行政として優先すべき点は、市民の命と健康を守る「かけがえのない担保」を確実に守り、維持すべきであることから、「県域水道一体化」への参加は断固反対の立場です。

 

【丸谷利一議員】

「県域水道一本化」への、本市の参加についての考え方について

①本市の参加に

(○) 反対

②その理由をお聞かせください。

 まず、反対する第一の理由は、上田市長の6選出馬前に上田市長の選挙公約として県域水道一体化には参加できない理由として掲げられていた「資産の引き継ぐルールづくり」がされていないことを掲げていましたが、今回の県側の手直し案でも本市の内部留保資金(76億円)の全額が県側の一体化組織(企業団)に拠出しなければならないことは変わっておらず、県下で抜群の資産状況(県下で一番の預貯金と借金はゼロに近い)の本市の市民の預貯金はソックリ企業団に吸い上げられることを意味し、当時の「資金引継ぎのルールづくり」が行われないまま、一体化に合流するもので、上田市長の選挙公約違反と言われても仕方がありません。また、本市水道事業で積み立てられた内部留保資金は、市民の水道料金で積み立てられたものであり、市民のために使用すべきもので県域水道の資金として使うべきではありません。

 上田市長は、「本市の老朽化した昭和浄水場や配水管の更新に優先的に使用される」としていますが、企業団へ移行した本市の80億円近い預貯金は、本市の預貯金ではなく一体化した後の県の企業団の預貯金となり、県下の水道施設の老朽配水管の更新のための有力な資金源となることは明白です。
 第二の反対理由は、上田市長は昭和浄水場の存続が認められたことについて「市民に有益である」としていますが、本市の貴重な財産である地下水源とその地下水を浄水にするための施設である昭和浄水場と北郡山浄水場のうち、北郡山浄水場の廃止に上田市長は同意し「市民に有益である」と評価していますが、これは本市の市民の命を守ってきた自己水源の廃止であり、市民の安心・安全な生活を守るうえで大きな後退です。本市の自己水源の比率は、令和3年度においても市民が使用する水道の54%を占めており、異常季節による渇水地震などの防災を考えた場合、北郡山浄水場の廃止は市民の命を守ってきた自己水源の削減であり将来に大きな禍根を残すことになります。
 第三に反対する理由は、上田市長は令和36年度で「一体化した場合の水道料金は253円単独経営した場合の水道料金は349円」としていますがこの数字は根拠がありません。
本市は平成8年4月に料金改定が行われて以来、約30年近く料金値上げはされていません。それは単独経営によって、給水原価の安い地下水源の比率を50%上守ってきたからにほかなりません。
と同じく水道利用金が安い葛城市や奈良市が、一体化すれば水道利用金の値上げは必至であると判断して県域水道一体化に不参加を表明したのも一体化による水道料金値上げを恐れたからです。
 県域水道一体化により、供給単価の高いダムの水が大部分を占めることになり料金値上げが引起こされることは避けて通ることは出来ません。以上の3点が反対理由です。

 

【河田和美議員】、【村田俊太郎議員】、【福田浩実議員】

 令和5年第1回定例会に提出される予定の「奈良県広域水道企業団設立準備協議会の設置」に係る議案等の審議をふまえ、判断するため、現時点での回答は差し控えさせていただきます。