奈良の水道問題を考える市民フォーラム

奈良「県域水道一体化」で地元の浄水場がなくなる。5年に一度水道料金が上がる。一体化の後は民営化?奈良の水道の将来を考えるために個人・団体が集まり活動している市民団体「奈良の水道問題を考える市民フォーラム」のブログです。

県域水道一体化で「水道料金が5年に一度上がる」。それでも単独運営より「水道料金が安い試算」はおかしくないか。

県域水道一体化に参加すると「5年に一度水道料金があがります」。

5年に一度も水道料金を上げる自治体など、そうそうありません。それなのに、参加したほうが「将来の水道料金上昇を抑制できる」のは本当でしょうか?

生駒市 一体化説明会資料より 

https://www.city.ikoma.lg.jp/water/0000031201.html

これは生駒市のシミュレーションですが、一体化に参加すると5年に一度、水道料金が上がる想定であることが分かります。まだ一体化後の水道料金体系が決まっていないので、供給単価での試算になります(基本料金・従量料金など水道料金体系は市町村ごとに違う)。

この資料にも「水道料金は5年に一度の改定が必要(単独経営でも同じ)」と書かれています。しかし、この「単独経営」の試算は、これまで市町村が行ってきた計算とは別物です。

比べるべきは
「これまでの市町村の計算ルールでの水道料金」と
「一体化に参加した時の水道料金」ではないでしょうか?

たとえば生駒市の供給単価は、1㎥当たり190円→180円と下がり、現在は173円です。(従量料金。県水の受水費が下がったこと等による値下げ)

これが、一体化に参加すると…

いきなり令和7年には、1㎥当たり181円に上がり、5年後に190円越え。
その後も5年ごとに値上がりし、30年後には253円になるという試算です。(試算段階でこれです。通常、試算より上がることはあっても、下がることはほぼないでしょう)

しかし、この計算では単独経営だと219円!になるというんです。つまり県の計算(総括原価方式)では、単独経営だといきなり46円も上がるというものになっています。一般家庭の使用量は20㎥と言われるので、水道料金で言えば、1か月あたり約920円、数年で25%もの値上げ!絶対におかしいです。

今、単独経営で173円なのに
「単独だとR7年には219円になる。でも一体化に入れば181円だから得だ」
と言われても…

これまでの実績と一体化後の試算をまとめるとこうなります。

生駒市】「過去20年の実績」と「県の試算」の30年予想

過去20年ほどを見ても、生駒市は水道料金を上げていません(逆に下げている)。
しかし、無借金経営の健全経営です。

浄水施設の耐震化率100%も目前。(なのに一体化参加ですべて廃止予定でしたが、奈良市離脱により半分残ることに)
管路更新率も近年は1%超え奈良県平均0.54%、奈良県0%)。
それでも黒字経営です。

「このまま生駒市単独でやったほうが、安いんじゃね?」と思いませんか?

大和郡山市もほぼ無借金の健全経営。
管路更新率も1.38%と超優良な水道事業です。

これだけ更新費用に投資しているのに、無借金ですよ!「水道事業で無借金」など普通ありません。

それでも、県の試算が正しく、
「一体化のほうが水道料金上昇を抑制できる」と考えるのか。

過去実績から判断するのか。

 

3月の市議会での議決が最大のヤマです。